一日一回のランキング投票にご協力ください。↓クリックで投票完了↓最近Twitterとかで 『ニキビができやすい人は最低でも【ノンコメドジェニックテスト済み】の化粧品を選ぼう！』 のようなことを言っているのをよく目にするようになりました。  …… more ただ、僕的には…（というか多分多くの化粧品開発者さんや技術者さんも同じく） これにはすごく違和感を感じているんですよね。。結構色々厄介な一面もあるので中々言いにくい部分があり口を噤んでいたのですが、 どうにもこうにもこれ系の情報を目にする機会がどんどん増えているので これ以上誤解してしまう人が増えてはいけないなと思いまして今日はこのお話をしていきます。◎ニキビが出来にくい？【ノンコメドジェニックテスト済み】化粧品とは【ノンコメドジェニックテスト】とは、化粧品をある程度かじっていれば一度は聞いた事があると思います。  簡単にいうと、 その化粧品が「コメド（ニキビの元になる毛穴の詰まり）」を作りにくいかどうかを測るためのテスト です。 これは、各化粧品メーカーが独自に行うものではなく、 安全性試験などを専門で行っている第三者機関に委託して行われるテストです。  こちらに詳しい試験方法が解説されていますが、 試験方法：上背部の中央部分に毛包開口部がある事を確認した健常な男女を選定し、顕微鏡検査の結果から被験者を設定します。週3回、パッチを被験者の背部の中央部分に貼付し、閉塞型テープで皮膚に貼付し、計6週間で完了とします。 簡単にいうと、「背中」に化粧品を塗って、数週間様子をみて状態を観察して結果を出しています。  ご覧のように結構面倒くさい手順が必要な試験で、かなり時間や人手を使うため、 試験費用もとても高いです。  ↓こちらだと1検体30万円ほどで、テストをパスするには10検体必要なので、一つの商品だけでも約300万円ほどの費用がかかります。 SOUKEN（総合健康開発研究所） ｜ 特定保健用（トクホ）・機能性食品の臨床試験、被験者の募集支援、リサーチ業務食品・医薬品・機器・化粧品の臨床試験を行う受託試験機関です。特定保健用食品（トクホ）・機能性食品等の効果・有効性・安全性のデータを取得します。www.souken-lab.co.jp   このようにしてようやく試験をパスすると、化粧品のパッケージ等に 「ノンコメドジェニックテスト済み」もしくは「ニキビのもとになりにくい処方」 などの表記が許されます。    先日紹介した「dプログラム」のファンデーションなども、   このノンコメドジェニックテスト済みであることを示す 「ニキビのもとになりにくい処方」 と記載されています。   なので、メーカーがお金をかけて実際にコメドが出来にくいかどうかを調べているものですから、 これは大変素晴らしいことですし、実際にそれを参考に選ぶのは決して悪いことではありません。   実際にニキビができやすい製品を誤って購入してしまうリスクはかなり下げることができるでしょう。    しかし、だからといってノンコメドジェニックテストを絶対視してしまうと、 いろんな面で損をしてしまう可能性もあります。    ◎【ノンコメドジェニックテスト済み】の捉え方をイメージ図にしてみたというわけで、「ノンコメドジェニックテスト済み」を正しく捉えるためのイメージ図を作ってみました。雑なパワポで本当に申し訳ないのですが…。笑   この矢印は、左から右に向かうほど「ニキビができやすい化粧品」になることをイメージしています。 市場のすべての化粧品をニキビのできやすさだけを指標に横軸一本の矢印に表しました。  この中で、「ノンコメドジェニックテスト済み」は赤いゾーン、 「テストをしていない製品」は青のグラデーションゾーンで表しています。    ◎「ノンコメドジェニックテスト」は高額すぎて、ほとんどのメーカーはやっていないまずひとつの問題点として、 「ニキビができやすい人はノンコメドジェニックテスト済みのものを選ぼう！」という風に選ぶと、 ご存知の通りノンコメの化粧品ってそんなに多くなくて、選択肢がものすごく狭まってしまいますよね。  これは、「ノンコメテスト済みじゃない＝ニキビができてしまう化粧品」という意味で捉えてしまう人がいるかもしれないのですがそうではなくて単純に【テストを受けていない化粧品】が大半です。   先程も言ったように、ノンコメテストはひとつの商品をテストするだけでも数百万円の費用がかかります。 そのため、相当の資金力を持っている大企業くらいしかノンコメテストをすべての商品で行うなんてことは出来ないのです。  中小企業の場合は、ひとつの商品でもやっていたら凄い気合入っているなぁと僕は思ってしまうくらいです…。。  しかし、実際にはノンコメテストをやっていなくても、ニキビができにくい製品は沢山あります。  大抵のメーカーは「こういう処方を組めばニキビは出来にくい」というのを把握しているため、 わざわざ高額の費用を払ってテストなどをしなくても良いと考える場合も多くあります。  だから、 「最低でもノンコメドジェニックテスト済みのものを！」という風に選ぶと、 本当に自分に合うはずの化粧品との出会いの機会を失ってしまう可能性もあるわけです。   ◎ノンコメドジェニックテストの合格基準はさほど高くないため、ニキビができやすい肌質だと合わないものも沢山ある   そしてみなさんもご存知のとおり、ノンコメドジェニックテスト済み表記は、 「※すべての人にニキビができないわけではありません」 とセットで書かれていますよね。   正直僕が一番伝えたいのはここで、  実はノンコメテストは、世間的に思われているほどニキビが出来にくいか？というとそうでもありません…。  というのも、それもそのはずで、試験法を見れば分かるのですが、 この試験では被験者の「背中」を使ってテストを行っているんです。  背中も確かに皮脂腺は多いのは事実ですが、 顔に比べれば圧倒的に少ないですし、皮膚の厚さや強さも大きく違うと考えられます。  背中で試験した方法でコメドが出来なったからと言って、 顔でも同じくできないか？というと…またそれはなんとも言えないところですよね。  少なくとも顔より弱い箇所でやってコメド出来てないくらいの結果じゃないと、安心はできないと僕は思います。   また、化粧品でニキビができるかどうかは生まれ持った体質にとても依存しています。  常人に比べてニキビができやすい肌質の人というのは、 人口全体的に見れば少数派だと思われます。  そういった肌質の人が試験の被験者になっている確率はかなり低く、 大半の試験結果が「普通肌の人向け」になっていると僕は感じています。  にも関わらず、ノンコメテスト済みを選ぶのはニキビが出来やすい肌質の人が多いです。   「普通肌の人であればニキビができないけど、ニキビできやすい人はできてしまう…」 というものがわんさかあるので、 【ノンコメドジェニックテスト済み】と書いてある化粧品を使ってもニキビが普通にできちゃったと言う人もかなり沢山いるのではないでしょうか。   僕なんか酸化亜鉛入っているものはすぐにニキビできますけど、 酸化亜鉛メインでノンコメテスト済みの製品なんて沢山ありますよね。  こんな感じでニキビできやすいかどうかは肌質依存で合わない成分も人それぞれのため、 一般向けのテストでクリアしていても自分に合わない成分を回避できることはほとんど無いと思います。  しかも中には、明らかにニキビできやすいだろう商品でもノンコメテスト済みのものがたまに紛れているので、、（これは本当にどういうことなのか…） それも本当に注意して欲しいですね。   実際にノンコメジェニックテストの試験を行うメーカーに勤めていた友人がいますが、 高額なので試験をするハードルは高いものの、クリアのハードルはさほど高くない という話も聞きました。  背中で行う試験ということもあり、 顔だと普通ならニキビができる製品でも意外とクリアできちゃったりということがあるようです。（逆に試験してパスできないものがあるという話をあまり聞かないです…）   というわけで、ノンコメドジェニックテスト済みを選べば、 「普通肌の人にとってもニキビができやすくなるような製品」に当たることは基本的には無いと思いますが、 「ニキビができやすい肌質の人」にとってはあまり意味がないものも結構多いです。  その点はぜひ注意した方が良いと思います。   ◎元々はそこまで重視されていなかった「ノンコメドジェニックテスト」が最近人気な理由  というわけでまとめのイメージをもう一回貼っておきますが、  あくまで「目安」としてノンコメドジェニックテスト済みを選ぶのは全然構わないと思います。 しかし上記のように様々なイレギュラーがあるので、絶対視してしまうのはかなり問題があります。 ぜひご注意頂きたいと思います。     しかし、実は元々ノンコメドジェニックテストって業界的にはそんなに重視されていなかったし、 消費者受けもそんなに良いという印象はなかったのですが、（ノンコメドジェニックって言われてもよく分からないですもんね；） 最近になって突然人気になってきましたよね。  これって多分日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドラインにハッキリと 「ノンコメドジェニックな化粧品を選択する」的なことが書いてあるから  それをそのまま皮膚科の先生がアドバイスされるのかなと僕は思います。  ただ化粧品詳しく知ってると、ノンコメドジェニックってそこまで信頼性高くないけどなぁ… と思ってしまう部分があります。。 少なくともガイドラインにこうやってハッキリ記載されているのはすごく不思議です。。 （だから僕はニキビ対策の動画とかブログとかでも「ノンコメドジェニックのものを」という発言は努めてしないようにしています。）   僕的にはメイクアップ系は特に、 ・酸化亜鉛・フッ素樹脂（～フルオロ～と付く成分）・トリメチルシロキシケイ酸 の３つを避ければかなりニキビができにくくなるとは思います。 むしろノンコメジェニックテスト済みよりニキビ出来にくい打率高いと思います(^^;)    ちなみに、僕がこれまでずっとブログを書いてきて 化粧品の成分などを見ていく中で「ノンコメドジェニック」に注目したことってほとんど無いと思います。  同じように「皮膚刺激性試験済み」とか、「パッチテスト済み」とかも これはあくまで普通肌の人を対象に試験をしているわけですからそこまで信頼性は高くないので、 くれぐれも、あくまで目安の一つとして見ていただくようにして欲しいなと思います。 というわけで今日は以上です！ 敏感肌用ファンデーション【セラネージュ 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ニキビできにくい？【ノンコメドジェニックテスト済み】の捉え方に注意して欲しい、という話